試乗レポート

今回試乗した車は、
ロッキー G HEV

2021年11月1日、ダイハツに待望のオリジナルフルハイブリッドが登場しました。その名も「ロッキーハイブリッド」。人気のSUV“ロッキー”に100%モーター走行を可能としたハイブリッドシステムを組み合わせることで、低燃費・電動感・低価格といった3つの特徴を兼ね備えた車が誕生しました。今回、発売から1カ月経過したところで、新ロッキーハイブリッドの魅力をお伝えします。

デザインはフロントグリルが網目状のデザインに、HEV専用ホイールは5穴に変更された。グリルはハイブリッド化による差別化と風流の改善。5穴化はガソリン車と比べて約100kg重量が増加されたため強度アップのための措置だ。

ハイブリッドの代名詞でもあるブルーエンブレムは、ダイハツももれなく採用ハイブリッドシステム名は「e-SMART HYBRID」。

ドライバー側に少し傾いたインパネがコックピット感を高める。シフト回りはデザインを変更し、上質感を向上させた。またハイブリッド及びガソリン車の「G」グレードには電動パーキングブレーキを採用。シフト操作と連動して作動・解除が自動で行われるためパーキングブレーキの解除忘れにも一役買っている。

後部座席はハイブリッド化されても広々としており、3人が乗車できる。ラゲージスペースは走行用のモーターが搭載されるためアンダーラゲージスペースが限られているものの、通常使いであれば国内旅行用のキャリーケースを3個程度載せることが出来るため、長距離の旅行にもってこい。

ダイハツが約20年ぶりに新開発した直列3気筒1.2Lエンジン。発電専用エンジンとなるため、効率の良いエンジン回転数を維持する事で、圧倒的な低燃費に貢献している。なお、ウインカーは従来通り流れるタイプのシーケンシャルウインカーを継続採用している。

試乗車は「ロッキーG HEV」。ハイブリッドの2種類あるうちの最上級グレードで、本革とファブリックのコンビシートやフルLEDヘッドランプ、ACCやシートヒーターなど、快適装備が満載でもちろん予防安全機能「スマートアシスト」も夜間歩行者検知も加わるなど、最新バージョンを搭載しています。

外観の違いで気づくのが、ハイブリッドを象徴する青色のエンブレムとデザインが変更されたのとホイールのデザイン。それ以外はほぼ一緒の為、マニアでなければ違いが分からないかもしれません(笑)。

室内に乗り込むと、相変わらずの視界の良さが広がりボンネットの先端も見えるため、車体感覚が掴みやすく運転がしやすい車だと改めて実感しました。また今回のハイブリッド化により、電動パーキングブレーキを採用しているため、信号待ちでもブレーキを踏み続けることなくブレーキホールドでペダルから足を離しても停止した状態でした。

さて前置きはこれぐらいにして、PレンジをDレンジに入れてアクセルを踏むと静かに走り出します。今回ダイハツが採用したハイブリッドシステムは「シリーズ方式」。100%モーター走行するため例えるなら新幹線が動き出した、そんな電動感でロッキーが前に進みます。

アクセルを踏み込むと意外とエンジン音が車内に響くものの、速度が安定するとすぐモーター走行オンリーに切り替わるため、ガソリン車と比べるとかなり静か。ハイブリッドは「スマートペダル」を採用し、アクセルだけで加減速を調整できるため、ちょっとした減速でもアクセルから足を離すことなく運転できます。

高速走行を試すため、バイパスの合流時にアクセルを強く踏み込んだ際には流石にエンジンが大きなうねりを上げますが、こちらも速度が安定するとモーターオンリーになるため基本的には気持ちよく走ることが出来ました。